Difference between revisions of "UO:2007-01-12: The Mage's Apprentice"
BrianFreud (talk | contribs) (Created page with "{{InfoHeader UOFiction | title = The Mage's Apprentice | author = Anderson the Scribe | type = BNN }}<div class="uofiction"> “Wexton!” Kronos yelled, his voice somewhat m...") |
BrianFreud (talk | contribs) m |
||
Line 1: | Line 1: | ||
{{InfoHeader UOFiction | {{InfoHeader UOFiction | ||
| title = The Mage's Apprentice | | title = The Mage's Apprentice | ||
+ | |translation = 魔法使いの弟子 | ||
| author = Anderson the Scribe | | author = Anderson the Scribe | ||
| type = BNN | | type = BNN | ||
Line 26: | Line 27: | ||
Wexton frowned. Blackrock certainly seemed to have an odd effect on those around it. It was a good thing his master was only looking for it in the interests of pure science. He stepped outside, squinting in the bright sunshine, then turned to head to the Lycaeum to look for adventurers. | Wexton frowned. Blackrock certainly seemed to have an odd effect on those around it. It was a good thing his master was only looking for it in the interests of pure science. He stepped outside, squinting in the bright sunshine, then turned to head to the Lycaeum to look for adventurers. | ||
+ | |||
+ | <hr> | ||
+ | |||
+ | [[File:Bnn070113.jpg]] | ||
+ | |||
+ | 「ウェクストン!」 | ||
+ | |||
+ | クロノスは大声を出したが、大きな部品箱に頭を突っ込んでいたせいで、その声は遮られてしまった。 | ||
+ | |||
+ | 「はい、先生?」 | ||
+ | |||
+ | 「ウェクストン!」 | ||
+ | |||
+ | ウェクストンは、目をぱちぱちさせながら近くに寄って応えた。 | ||
+ | |||
+ | 「はい、先生。何かおっしゃいましたか?」 | ||
+ | |||
+ | ぶつぶつとつぶやきながら、部品箱の中からクロノスが頭を出した。 | ||
+ | |||
+ | 「ああ、そこにいたのか。完成させるために、いくつかの部品が必要なんだ」 | ||
+ | |||
+ | クロノスはローブのポケットをごそごそと探り、取り出したしわくちゃの羊皮紙に何かを書き込むと、それをウェクストンに手渡した。 | ||
+ | |||
+ | 「ここに書いてあるものを集めてくれ。頼めるね? 急いでくれよ。もう少しで終わりそうなんだ!」 | ||
+ | |||
+ | ウェクストンは、クロノスから手渡されたリストに目を通して愕然とした。(うわあ。これを取るためには、あれを殺して……で、これはあそこでしか手に……) | ||
+ | |||
+ | 「ちょっと待ってください! どうやってこんなものを手に入れろと? 私の仕事は調査することであって、魔法の鎧と輝く剣を身につけた冒険者じゃないん……」 | ||
+ | |||
+ | ウェクストンの声は、消え入りそうなほど小さくなっていた。 | ||
+ | |||
+ | 「ふむ。冒険が必要っていうことは、誰か手伝ってくれる人が見つかるかもしれないな」 | ||
+ | |||
+ | ウェクストンはエプロンについた埃を払い落とし、ヒゲに手をやり胸を張った。ウェクストンが扉の外に出ようとしたとき、またしてもクロノスが頭を出した。 | ||
+ | |||
+ | 「ウェクストン! どこにいくんだ? まだ食事の時間じゃないぞ」 | ||
+ | |||
+ | ウェクストンは混乱して振り返り、羊皮紙を頭の上にかざして言った。 | ||
+ | |||
+ | 「部品を手に入れに行くんですよ、先生! 覚えてらっしゃらないんですか?」 | ||
+ | |||
+ | クロノスは顔をしかめてウェクストンを見ると、もやを払うように頭を振って言った。 | ||
+ | |||
+ | 「あ、ああ。その通りだ。急いでくれ」 | ||
+ | |||
+ | 今度はウェクストンが顔をしかめる番だった。ブラックロックは周囲に奇妙な影響を及ぼすらしい。自分の師が純粋科学にだけ興味を持っているように見えるのは、よいことだ。ウェクストンは外に出て、明るく輝く太陽をちらりと見た。そして冒険者を探すためにライキュームへと向かった。 | ||
</div>{{InfoFooter UOFiction| type = BNN}} | </div>{{InfoFooter UOFiction| type = BNN}} |
Latest revision as of 18:07, 31 May 2017
The Mage's Apprentice / 魔法使いの弟子
Author: Anderson the Scribe | Published: January 12, 2007 |
“Wexton!” Kronos yelled, his voice somewhat muffled as his head was almost entirely inside a huge box of parts.
“Yes, Master?”
“WEXTON!”
Wexton blinked, then leaned closer. “YES, MASTER?”
Muttering, Kronos extracted himself from the box.
“Oh, there you are, my boy. I need a few items to finish this off.” He rummaged around in his robes, produced a crumpled piece of paper, and swiftly jotted a few notes. He handed the paper to Wexton. “Be a good lad and run out and fetch these for me, will you? And be quick – we’re nearly done!”
Wexton read over the list, his eyes growing wide. Why, to get that he’d need to kill… and this was only found in… “Oh, by the Virtues! How am I going to get these things? I’m a researcher, not an adventurer with magic armor and a glowing sword…” he trailed off. “Hmm. Getting these things would certainly be an adventure. I’m sure I can find someone to help.” He brushed the dust off his apron, raked his fingers through his beard, and squared his shoulders. As he walked out the door, Kronos popped his head up again.
“Wexton! Where are you going? It’s not yet mealtime.”
Wexton turned, puzzled. “To get thy things, Master. Remember?” He held up the parchment.
Kronos frowned at him, then shook his head as if to clear it. “Oh. Hmm. Yes, very good. Run along, boy.”
Wexton frowned. Blackrock certainly seemed to have an odd effect on those around it. It was a good thing his master was only looking for it in the interests of pure science. He stepped outside, squinting in the bright sunshine, then turned to head to the Lycaeum to look for adventurers.
「ウェクストン!」
クロノスは大声を出したが、大きな部品箱に頭を突っ込んでいたせいで、その声は遮られてしまった。
「はい、先生?」
「ウェクストン!」
ウェクストンは、目をぱちぱちさせながら近くに寄って応えた。
「はい、先生。何かおっしゃいましたか?」
ぶつぶつとつぶやきながら、部品箱の中からクロノスが頭を出した。
「ああ、そこにいたのか。完成させるために、いくつかの部品が必要なんだ」
クロノスはローブのポケットをごそごそと探り、取り出したしわくちゃの羊皮紙に何かを書き込むと、それをウェクストンに手渡した。
「ここに書いてあるものを集めてくれ。頼めるね? 急いでくれよ。もう少しで終わりそうなんだ!」
ウェクストンは、クロノスから手渡されたリストに目を通して愕然とした。(うわあ。これを取るためには、あれを殺して……で、これはあそこでしか手に……)
「ちょっと待ってください! どうやってこんなものを手に入れろと? 私の仕事は調査することであって、魔法の鎧と輝く剣を身につけた冒険者じゃないん……」
ウェクストンの声は、消え入りそうなほど小さくなっていた。
「ふむ。冒険が必要っていうことは、誰か手伝ってくれる人が見つかるかもしれないな」
ウェクストンはエプロンについた埃を払い落とし、ヒゲに手をやり胸を張った。ウェクストンが扉の外に出ようとしたとき、またしてもクロノスが頭を出した。
「ウェクストン! どこにいくんだ? まだ食事の時間じゃないぞ」
ウェクストンは混乱して振り返り、羊皮紙を頭の上にかざして言った。
「部品を手に入れに行くんですよ、先生! 覚えてらっしゃらないんですか?」
クロノスは顔をしかめてウェクストンを見ると、もやを払うように頭を振って言った。
「あ、ああ。その通りだ。急いでくれ」
今度はウェクストンが顔をしかめる番だった。ブラックロックは周囲に奇妙な影響を及ぼすらしい。自分の師が純粋科学にだけ興味を持っているように見えるのは、よいことだ。ウェクストンは外に出て、明るく輝く太陽をちらりと見た。そして冒険者を探すためにライキュームへと向かった。