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The knight returned to his tent and looked at the map of Eodon. Too many pins radiated from the Myrmidex nest, striking at his camp and the settlements of the ally tribes. Containing the Myrmidex had failed, and if it became a war of attrition, humanity would lose. Nothing could be gained by delay. Geoffrey picked up a quill and wrote a short note to Britain: “Send all that you can spare. We will strike the nest itself.”
 
The knight returned to his tent and looked at the map of Eodon. Too many pins radiated from the Myrmidex nest, striking at his camp and the settlements of the ally tribes. Containing the Myrmidex had failed, and if it became a war of attrition, humanity would lose. Nothing could be gained by delay. Geoffrey picked up a quill and wrote a short note to Britain: “Send all that you can spare. We will strike the nest itself.”
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==Japanese version==
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女王の部屋が静まり返ることはなかった。働きアリたちがこのコロニーを持続させる源となるロイヤルゼリーを生み出すため、植物や肉をかじったり、歯をかちゃかちゃ言わせたりする音が洞窟内にこだましていた。
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ドローンは生まれてこの方ロイヤルゼリーの複雑な味わいを忘れたことはなかった。ロイヤルゼリーは幼虫をより強く育てるために与えられるが、与える量はミュルミデックスの階級によって定められていた。生まれてから1週間も経たないうちに、ドローンと働きアリたちは少ない量の食事に甘んじた。ウォリアーたちはひと月もすればロイヤルゼリーの投与によって巨大化し、彼らの母であり、唯一無二の存在である女王もまた彼女の生命のすべてをその栄養素によってまかなっていた。
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女王は部屋の中央に座し、彼女のもっとも新しい卵のうのうちどれを採用し、または取り除くべきかを吟味していた。薄い膜を通してドローンは彼らの一族の幼虫の姿を見て取ることができた。女王がそれぞれの卵の運命を決めると、働きアリたちはそれらをふ化させ、育てるための幾筋にも分かれたトンネルの中へと慎重に運んで行った。仕事を終えると女王は視線を移して言った。
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「ドローンの子よ、お前が見て来たことを報告しなさい。」
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ドローンはシルバーゲートと武装したヒューマンたちの詳細をさえずるような声で報告した。報告を終えると彼らは触角を触れ合わせてその出来事の味覚の記憶を共有した。例え女王が疑惑を持っていたとしても、魔法の織り成す酸味がドローンの話を裏付けたことだろう。
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女王がはっきりそれとわかる命令をいくつか下すと、働きアリたちは散り散りになっていくつもの異なるトンネルの中へ吸い込まれて行った。働きアリの一匹が大きな膜に包まれたロイヤルゼリーをドローンの前に置き、女王はドローンにそれを飲むよう命じた。ドローンがこのめずらしい贈り物を消費する間、何匹かの働きアリが大きなクリスタルを部屋へ運んで来た。クリスタルはそのパワーによって小刻みに音をたてており、部屋を例えようもない匂いで満たした。その苦味を形成する魔法の向こう側には、排除された千にも及ぼうと言うミュルミデックスとおぼしき昆虫と突然変異の存在があった。ドローンはクリスタルから後ずさった。
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女王はドローンをなだめて言った。
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「恐れることはありません。ドローンの子よ、お前は栄誉を与えられるのです。お前は一族を率いて新たな敵に立ち向かうのです。」
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小さなドローンは部屋を守る大きなミュルミデックスウォリアーのことを思い、困惑の表情を女王に向けた。彼らは戦いのために育てられてはいないのだ。
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「このクリスタルはかの圧制者たちのもの。これが私たちを変貌させ、支配していたのです。私たちは彼らを追い払った際にこれを彼らから奪いました。お前はその甲羅を脱ぎ捨てるのです。ドローンのまま軍を率いることはできません。お前は戦士となるのです。」
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現在……
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ジョフリーは土木係が居留地の丘の杭を修繕するのを見ていた。ミュルミデックスによる直近の襲撃は彼のキャンプの守りを突破する寸前であった。攻撃の回数を追うごとにその軍勢は数と戦闘能力において進歩を遂げており、もはや状況は絶望的であった。
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ミュルミデックスは現在Barrab族がChizzztl、あるいは“イオドーンの憤怒”と呼ぶ大きな虫によって率いられていた。ミュルミデックスはすべてのヒューマンに対して攻撃的であるのに対し、ChizzztlだけはBarrab族をスパイ、あるいは斥候としてその価値を認めているようだった。このことが明らかになる前にあまりに多くの同盟部族の同胞たちが待ち伏せに遭って犠牲になった。
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ここ数週間の間、ジョフリーにとっての良い報せはミュルミデックスの隊列の乱れだった。Urali族を包囲していた彼らの半分の軍勢が脇道にそれ、一様に密林のジャングルの同じ場所を目指したのだ。状況を調査するために斥候が派遣されたが、焼け焦げた昆虫の甲羅がある以外は何も見つからなかった。ジョフリーはそれが青い炎に包まれた謎の男の目撃情報と何か関係があるのだろうかといぶかった。
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ジョフリーは彼のテントに戻るとイオドーンの地図を見た。あまりに多くのピンがミュルミデックスの巣から放射状に伸びており、彼のキャンプを、同盟部族たちの居住地を攻撃していた。ミュルミデックスを阻止することは不可能だった。そしてこれが持久戦になればヒューマンは負けるだろう。ジョフリーは羽ペンを取り出し、ブリテインへ短い書状をしたためた。
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「どうか総力を結集してください。巣穴を直接攻撃します。」
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References:
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* https://www.facebook.com/broadsword.hirota.ken/posts/1743819652560645
  
 
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Latest revision as of 11:19, 3 June 2017


Destiny and Decision / ・宿命

Author: EM Malachi Published: May 31, 2016



Months ago…

The Queen’s chamber was never silent. The gnawing and gnashing of the worker-sisters filled the cavern, as they consumed vegetation and meat to produce the royal jelly that sustained the colony.

The drone still remembered the complex taste of the jelly from its hatching. It was given to all larvae to make them strong, but a Myrmidex’s role determined how much was given. Less than a week after hatching, drones and workers were forced to consume lesser foods. Warriors grew large from a month of royal jelly consumption, and the sole queen, mother to all, subsisted entirely on the nutrient mix her entire life.

The Queen sat in the center of the chamber, appraising her latest cache of eggs and deciding which showed promise or defect. Through the membranes, the drone could see the larval forms of the Swarm-Family. When the Queen had decided the fate of each egg, workers carefully carried them down various tunnels to be hatched and developed. When she was finished, the Queen gave her attention, “Drone-child, tell me what you have seen.”

The drone chittered through the details of the Silver Gate and the warrior humans. When it was finished speaking, antennae were touched to share the taste-memory of the incident. If the Queen was doubtful at all, the sour taste of magic confirmed the drone’s story.

The Queen issued several sharp commands, causing workers to scatter down a dozen different tunnels. A worker-sister placed a large membrane filled with royal jelly in front of the drone, and the Queen ordered it to drink. As the drone consumed the rare gift, several workers dragged a giant crystal into the room. The artifact thrummed with power, filling the room with a terrible taste. Beyond bitter magic, there was the scent of insects like the Myrmidex, a thousand variations and mutations removed. The drone backed away from the crystal.

The Queen coaxed the drone back, “Do not be afraid. You are to be rewarded, drone-child. You will lead the Swarm-Family against this new enemy.”

The small drone considered the much larger warrior Myrmidex guarding the chamber and gave the Queen a look of confusion. It was not grown for war.

“The Crystal is of the Oppressors. It is what changed and controlled us. We took it from them when we drove them away. You must leave this carapace behind. You cannot lead as the drone you are, but as the soldier you will become.”


Now…

Geoffrey watched as the builders repaired the palisade on Drum Hill. The latest strike by the Myrmidex had come very close to breaching his camp’s defenses. With each attack, the swarm grew both in number and tactical competence, and the situation was desperate.

The Myrmidex were now led by a giant insect warrior that the Barrab called Chizzztl: “the Fury of Eodon.” While the Myrmidex were normally hostile to all humans, Chizzztl seemed to recognize the value of the Barrab as spies and scouts. Too many from the ally tribes had been led into ambushes before this was figured out.

The only good news Geoffrey had had in weeks was of an erratic deployment by the Myrmidex. In the middle of their siege of the Urali settlement, half of their forces had pulled out, all moving toward the same spot in the dense jungle. The scouts sent to investigate had found nothing but charred carapaces. Geoffrey wondered if this was connected to reports of a strange man wreathed in blue fire.

The knight returned to his tent and looked at the map of Eodon. Too many pins radiated from the Myrmidex nest, striking at his camp and the settlements of the ally tribes. Containing the Myrmidex had failed, and if it became a war of attrition, humanity would lose. Nothing could be gained by delay. Geoffrey picked up a quill and wrote a short note to Britain: “Send all that you can spare. We will strike the nest itself.”

Japanese version

女王の部屋が静まり返ることはなかった。働きアリたちがこのコロニーを持続させる源となるロイヤルゼリーを生み出すため、植物や肉をかじったり、歯をかちゃかちゃ言わせたりする音が洞窟内にこだましていた。

ドローンは生まれてこの方ロイヤルゼリーの複雑な味わいを忘れたことはなかった。ロイヤルゼリーは幼虫をより強く育てるために与えられるが、与える量はミュルミデックスの階級によって定められていた。生まれてから1週間も経たないうちに、ドローンと働きアリたちは少ない量の食事に甘んじた。ウォリアーたちはひと月もすればロイヤルゼリーの投与によって巨大化し、彼らの母であり、唯一無二の存在である女王もまた彼女の生命のすべてをその栄養素によってまかなっていた。

女王は部屋の中央に座し、彼女のもっとも新しい卵のうのうちどれを採用し、または取り除くべきかを吟味していた。薄い膜を通してドローンは彼らの一族の幼虫の姿を見て取ることができた。女王がそれぞれの卵の運命を決めると、働きアリたちはそれらをふ化させ、育てるための幾筋にも分かれたトンネルの中へと慎重に運んで行った。仕事を終えると女王は視線を移して言った。

「ドローンの子よ、お前が見て来たことを報告しなさい。」

ドローンはシルバーゲートと武装したヒューマンたちの詳細をさえずるような声で報告した。報告を終えると彼らは触角を触れ合わせてその出来事の味覚の記憶を共有した。例え女王が疑惑を持っていたとしても、魔法の織り成す酸味がドローンの話を裏付けたことだろう。

女王がはっきりそれとわかる命令をいくつか下すと、働きアリたちは散り散りになっていくつもの異なるトンネルの中へ吸い込まれて行った。働きアリの一匹が大きな膜に包まれたロイヤルゼリーをドローンの前に置き、女王はドローンにそれを飲むよう命じた。ドローンがこのめずらしい贈り物を消費する間、何匹かの働きアリが大きなクリスタルを部屋へ運んで来た。クリスタルはそのパワーによって小刻みに音をたてており、部屋を例えようもない匂いで満たした。その苦味を形成する魔法の向こう側には、排除された千にも及ぼうと言うミュルミデックスとおぼしき昆虫と突然変異の存在があった。ドローンはクリスタルから後ずさった。

女王はドローンをなだめて言った。

「恐れることはありません。ドローンの子よ、お前は栄誉を与えられるのです。お前は一族を率いて新たな敵に立ち向かうのです。」

小さなドローンは部屋を守る大きなミュルミデックスウォリアーのことを思い、困惑の表情を女王に向けた。彼らは戦いのために育てられてはいないのだ。

「このクリスタルはかの圧制者たちのもの。これが私たちを変貌させ、支配していたのです。私たちは彼らを追い払った際にこれを彼らから奪いました。お前はその甲羅を脱ぎ捨てるのです。ドローンのまま軍を率いることはできません。お前は戦士となるのです。」


現在……

ジョフリーは土木係が居留地の丘の杭を修繕するのを見ていた。ミュルミデックスによる直近の襲撃は彼のキャンプの守りを突破する寸前であった。攻撃の回数を追うごとにその軍勢は数と戦闘能力において進歩を遂げており、もはや状況は絶望的であった。

ミュルミデックスは現在Barrab族がChizzztl、あるいは“イオドーンの憤怒”と呼ぶ大きな虫によって率いられていた。ミュルミデックスはすべてのヒューマンに対して攻撃的であるのに対し、ChizzztlだけはBarrab族をスパイ、あるいは斥候としてその価値を認めているようだった。このことが明らかになる前にあまりに多くの同盟部族の同胞たちが待ち伏せに遭って犠牲になった。

ここ数週間の間、ジョフリーにとっての良い報せはミュルミデックスの隊列の乱れだった。Urali族を包囲していた彼らの半分の軍勢が脇道にそれ、一様に密林のジャングルの同じ場所を目指したのだ。状況を調査するために斥候が派遣されたが、焼け焦げた昆虫の甲羅がある以外は何も見つからなかった。ジョフリーはそれが青い炎に包まれた謎の男の目撃情報と何か関係があるのだろうかといぶかった。

ジョフリーは彼のテントに戻るとイオドーンの地図を見た。あまりに多くのピンがミュルミデックスの巣から放射状に伸びており、彼のキャンプを、同盟部族たちの居住地を攻撃していた。ミュルミデックスを阻止することは不可能だった。そしてこれが持久戦になればヒューマンは負けるだろう。ジョフリーは羽ペンを取り出し、ブリテインへ短い書状をしたためた。

「どうか総力を結集してください。巣穴を直接攻撃します。」


References: