Difference between revisions of "UO:2002-09-26: Scientific Discussion"

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Krett held up the small tool handle to which he had attached the one of his fine-toothed gears. “I invented this pizza cutter.”
 
Krett held up the small tool handle to which he had attached the one of his fine-toothed gears. “I invented this pizza cutter.”
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太陽が沈み、ブリタニア城の雑然とした研究室の床の上を、粘液が流れるように、音もなく夕闇が覆っていった。オレンジ色の夕日の中では、まだ未練がましく細かい塵が弱々しくきらめいている。魔道師クレイニン(Clainin)が部屋を一周しロウソクを灯してゆくと、大きな円卓を囲んで座わっている人々の顔が次第に浮かび上がってきた。
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老練の科学者クレット(Krett)は、いろいろな機械工具をテーブルの上に広げて座っていた。目の前には、数秒おきにカチッと音を立てる風変わりな金属の装置が置かれている。会の開始を待つ間、クレットはその装置に部品を組み込んでいた。それぞれの部品は、組み込まれるごとにボヨンと奇妙な音を発した。その左側には、錬金術師ボルビン(Borvin)が座っていた。ボルビンは比較的大柄な男だが、悲しいかな、体全体で筋肉が占める割合が極端に少ない体質になっている。しかし、こと錬金術に関しては、高い能力と豊富な知識を誇っていた。クレイニンは、ボルビンの錬金術の知識を大いに頼りにしていた。ボルビンの左隣はクレイニンの席なので今は空いている。さらにその隣には、ミーア(Meer)の賢人長老アドラナス(Adranath)が指を組み、静かに座っていた。
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『みなさん、お集まりいただき感謝します』クレイニンはやっと着席し、参加者の顔を見回した。クレットは顔を上げて微笑むと、彼の装置から大きなスプリングが天井に向けて飛び出した。クレットは慌てて手を伸ばし細動する金属部品をキャッチすると、静かに机に置き、恥ずかしそうな苦笑いを見せた。『こうしてまた討論の席を設けることができるようになって、嬉しく思います』そう挨拶しながら、クレイトンはローブの下から小さな袋を取り出した。
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『最後の会では、本当に楽しませていただいたよ』ボルビンが低い声で笑いながら言った。『ありゃ誰だったかねぇ。いまや魔法審議会のメンバーにもなっているあの若造は。世界が宝石の中に閉じ込められているという説を、何度も何度も聞かされたっけなぁ』
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クレイニンは気まずそうに咳払いをした。『ええ、はい。あのときは……楽しかったです』そしてすぐさま話題を変えた。『マスター・アドラナス、私どものために貴重なお時間をありがとうございます。その後、ミーアの皆様は、いかがお過ごしですか?』
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『元気でやっていますよ、マスター・クレイニン。お気遣いありがとう。この席にお招きいただいたことを、光栄に存じます。こうして知識溢れる諸先生方と科学的な謎について討論ができるなど……、そう、じつに数百年ぶりのことですからな』アドラナスと席を同じくした3人の参加者は、数千歳先輩の大魔道師からの最大の世辞に、鼻高々の気分になった。
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クレイニンは袋の口を開き、興奮気味に参加者の顔を見回した。『では、本題に入りましょう』彼は注意深く袋に手を入れると、大きな ズーギーファンガス(Zoogi fungus)の塊を取り出し、テーブルの中央に置いた。『みなさんご承知のとおり、ソーレン(Solen)の巣が発見されました。残念ながら、安全性が確保されないため、まだ科学的な調査を実施できずにおります。そこで今日のテーマですが、彼女はどうやってこれを……』そう言うとクレイニンは、再び袋に手を入れて、転送の粉末(Translocation powder)が入った小瓶を取り出し、ファンガスの隣に置いた。『これに変えたかです』
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各人は催眠術をかけられたかのように、円卓の上の2つの物体をじっと見つめた。部屋は、ピンが落ちる音も聞こえそうなほど静まり返った。事実、そのとき図らずもクレットの手から4本のピンが滑り落ち、それが単なる誇張表現ではないことを証明して見せた。『ああ、どーも……、し、失礼。忘れてたもんで……、手に握っておりましたのを……。い、いますぐ片付けますので、はい。とんだ失礼を』彼は気まずそうに咳払いをした。
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睨めっこはさらに続いた。みんなの視線を集中すれば、答えのほうが痺れを切らせてズーギーファンガスから飛び出してくるのではないかと、全員が信じているかのようにも見えた。ときどき、中の一人が顔をあげて他のメンバーの様子を伺ったが、言葉を発してはいけないような雰囲気を察して、すぐにまたファンガスに目を戻した。このままではせっかくの会が台無しになる。クレイニンはそう感じて口を開いた。『みなさん、お腹は大丈夫ですか。軽い食事でも用意させましょうか』
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アドラナス、クレット、ボルビンは、互いの顔色を伺った。食事に関して彼らが合意に達することは、世界が崩壊して宇宙の塵になるより前にはあり得ない様子だった。
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『みなさん、そうおっしゃるのなら……』
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『空腹というほどではないですけど……』
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『じつは私は人間の食べ物の愛好家でして……』
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3人が同時に話を始めたので、クレイニンは片手をあげてそれを制した。『食べる物を用意するよう、料理人に言ってきましょう。何かお腹に入れれば、頭も活性化されるでしょう。特にご注文はありますか?』
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『それなら……ピザなど』とアドラナスが言った。
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3人の人間の頭の中の時間の流れが極端に低下し、彼らはゆっくりと偉大なるミーアの魔道師に頭を向けた。
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『なにか、いけないことを言いましたかな』アドラナスは目をパチクリさせた。
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『いえいえ、なにも!』クレイニンが慌てて答えた。
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『だけどその……、つまりです、その……、ピザをお召し上がりに?』クレットが尋ねた。
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ボルビンは身を乗り出してこう聞いた。『もちろん、エールは欠かせませんな』
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『いや……、私は一度だけピザをいただいたことがあるというだけで』アドラナスは困惑の表情を浮かべた。『先日、ダーシャ(Dasha)と私とで、ミーアクリプト(Meer Crypt)の近くで怪物に襲われていた人間のご一向をお助けしたことがありまして。そのとき、礼をしたいからと、彼らの料理人が食事に誘ってくれたのです。そのとき彼が作ってくれたのですよ、ピザを……発音はこれで合ってますかな?』残りの全員がうなづいた。『あなた方の食文化は、我らミーアのものに比べて非常に豊かで複雑です。新鮮な驚きであります。しかし、ピザはとても美味でした。じつに創造的な食べ物です』
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ボルビンは乗り出した体を椅子の背に戻すと、クレイニンに微笑みかけた。『ピザを何枚か頼むよ。それとエールもな』
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『たぶん、ご用意できると思います』クレイニンは答えた。『では、ちょっと失礼して料理人に伝えてきます。その間、どうぞズーギーパウダーに関する論議を続けていてください』彼は眼鏡の置くの目玉をいたずらっぽく回して見せた。
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3分後、彼が部屋に戻ってきたとき、ズーギーファンガスとの睨めっこはまだ続いていた。
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『それで……』クレイニンは自分の席に腰を下ろしながら大きな声で言った。『彼女がどうやってファンガスを粉に変化させたか、仮説を提起してくださる方はいらっしゃいませんか?』クレイニンの声から、明らかにイライラした気分が伝わってきた。
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アドラナスが咳払いをすると、言った。『その、おそらく、ユーの腐敗から彼女はある種の魔法の力を得たのではないかと。あの生物が、この世界に新しく出現した生物だとするなら、腐敗に何らかの関係があると思うのですが』
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『私は、私が知る限りあらゆる方法でそれを調べた。私が持っているすべての薬と混ぜ合わせたりもしてみた。だから、何らかの魔法が関係しているとしても驚きはしないよ。錬金術的には、どう考えても不可解な現象だ』ボルビンが言った。
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『あの、その、もしかして……、これはファンガスが自分で自然にですね、こうなると。彼女はただそれを……、何らかの方法で早めたというのでは?』クレットは、テーブルの上に置いた歯車を意識せずに手で前後に転がしながら言った。『何らかの、その……、物質が、彼女の体内で生成されているのかも』
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だんだん核心に近づいてきた、とクレイトンは感じた。
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『食事はあとどれくらいかかるのかね?』とボルビンは尋ねた。
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数時間後、空になった皿やジョッキを使用人が片付けるころになっても、討論に進展は見られなかった。
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『つまり、こういうことです。おそらく腐敗の副産物として、彼女は自ら意識することなく魔法を生み出し、使っている』眼鏡の位置を直しながらクレイニンは言った。『どれくらいの速度で成長したのか、さらに、それは数世代をかけたのか、あるいは一世代で完了したのかによりますが、魔法は彼女の、いわゆる生体組織の一部になった可能性があります』
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『エールを飲むのは初めてですか?』ボルビンはアドラナスに尋ねた。
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『今はエールではなくファンガスの話をしましょう、ボルビンさん』クレイニンは言った。『この小さなキノコは謎の塊です。あなた方がこれに興味を示さないのが不思議でならない。これは大変な発見なんですよ』
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『これって……もしかして、ピザに乗せたらどうかなと……』クレットがクレイニンの要求に答えて小声で言った。クレイニンは両手に顔を埋めた。
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『クレイニン、お前にお土産だ!』
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聞きなれた声がドアの向こうの廊下から響いてきた。経験豊富にして天才的レンジャーのシャミノ(Shamino)だ。彼は袋を手に持ち、ニコニコしながら研究室に入ってきた。円卓の学者たちに軽く会釈をすると、彼はクレイニンに袋を投げてよこした。クレイニンはびっくりながらそれを受け取り、中を覗いた。
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『こいつは、すごい量のパウダーだ、シャミノ!どこでこんなに集めたんだ?』クレイニンは驚きながらも、嬉しそうにシャミノを見上げた。
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『クイーンがくれたんだ』そう言うとシャミノはスツールに腰かけ、足を組んだ。
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『え、彼女に会ったのか?生きているとは聞いてたけど』クレイニンは袋の口を閉じた。そして、それを戸棚のところまで持ってゆき、中にしまった。『今ボクたちは、クイーンがどうやってズーギーファンガスからパウダーを作るのかを、討論……していたたところなんだ』
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『また明日、会いにいくから、直接聞いてきてやろうか?』シャミノはそう進言した。
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『また会いに行くって?何を考えているんだ。そんな危険なところは、一度行けば十分じゃないか』ボルビンが口を出した。
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『そうでもないさ。ボクはもう、あそこの顔だからね』シャミノは立ち上がり、気取らない仕草で伸びをしながらドアに向かいつつ言った。『怒ってないときは、面白い連中だよ。働きアリと小石でキャッチボールをしたぐらいさ。ヤツは楽しそうにしてたよ』
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アドラナスは目を見開いた。『あなたには襲いかからないと?』
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『でも……、あの、いったいどうやってお友達になれたのです?』とクレットが尋ねた。
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シャミノは学者たちを振り返り、後ろ向きに部屋を出ながらニコリと笑って答えた。 『ボクはレディーの扱いには慣れてるからね』
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シャミノが去ると、男たちはしばらく部屋の中で押し黙ってしまった。
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『つまり、シャミノについて行けば、好きなだけ彼らの巣の中にいられたってことか』クレイニンはため息交じりに言った。『そうすれば、今ごろはファンガスの謎もとっくに解けていたはず』
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『いずれにせよ、クレイニン君、私は楽しかったよ』とアドラナスが言った。『食事もすばらしかったしね』クレイニンは、ふて腐れた顔を見せたいところを、必死に堪えた。
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ボルビンが笑いながら言った。『それに、あなたは初めてのエールを体験できた!』これにはクレイニンも顔をしかめた。
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『そうそう、こ、今夜の集まりがまったく無駄だったとは言えませんよ。それぞれ、何らかの、そのつまり、科学的な成果を得られたと思うんですけど』とクレット。
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『それは何です?』クレイニンはクレットを見上げて言った。
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クレットは、取っ手の先に鋭く細かい歯が並んだ歯車を取り付けた道具を手にしていた。『私は、これを発明できました。ピザカッターです』
  
 
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Scientific Discussion / 科学討論会

Author: Unknown author Published: September 26, 2002



As dusk settled, shadows stretched across the Britannia Castle’s cluttered laboratory like a slow liquid oozing across the room. Tiny motes of dust shone slightly in the orange light of the sunset that tried to maintain its grip on the end of the day. The wizard Clainin circled the room lighting candles one by one, gradually illuminating the faces of those who sat around his large circular table.

Krett, an experienced scientist, sat with his tinker’s tools spread out before him. Also before him, stood a strange metal device that clicked every few seconds. As he waited for the meeting to begin, Krett inserted parts into his device, parts that made strange springing sounds as they were manipulated. To his left sat Borvin, the alchemist. Borvin was a rather sizeable man. Unfortunately, his bulk contained very little muscle, but he was a very experienced and intelligent man when it came to alchemy. Clainin trusted his knowledge. To Borvin’s left was an empty chair that awaited Clainin; beside that sat Adranath, wise eternal of the Meer who sat calmly with his fingers laced.

“Gentlemen, thank you all for coming.” Clainin settled himself at the table and looked at his companions. Krett looked up and smiled as a large spring shot up from his device into the air. He snatched a hand up just in time to grab the wiggly bit of metal and set it back on the table gently. He grinned sheepishly. “It’s been awhile since I’ve been able to hold one of these little chats.” As Clainin spoke he brought a small sack out from behind his robe.

“I remember your last discussion I had the pleasure of joining.” Borvin laughed in his deep voice. “Who was that fellow, that mage who’s on the Council of Mages now? Kept going on and on about how the world is kept in some jewel!”

Clainin coughed nervously. “Ah… yes, that was… most amusing.” Quickly the young wizard changed topics. “Master Adranath, thank you again for taking the time to join us. How are things with the Meer?”

“We fare well, Master Clainin, I thank you. I am quite pleased you asked me to attend; it has been… well centuries since I have had the pleasure of discussing a scientific mystery with so many various knowledgeable scholars.” The other three men at the table with Adranath swelled with pride after being complimented so highly by a mage who was thousands of years old.

Clainin opened his sack and looked around the table excitedly at the others. “Let’s begin, shall we?” He reached carefully into the sack and pulled out a very large zoogi fungus, then set it in the center of the table. “As we all know, the Solen hive has been discovered. Unfortunately the danger prevents any safe scientific research at the moment. The question today, my friends, is how does she turn this…” he reached into the sack again and pulled out a small vial of translocation powder and placed it beside the fungus, “… into this?”

The men stared at the two objects on the table as if they had become entranced. The room became so quiet a pin could be heard dropping. Krett proved this theory by dropping 4 of them. “I, ah… oh, I am sorry. I forgot I had these, ah… in my hand. I’ll just put these… ah, yes away here. I’m sorry.” He coughed nervously.

Again the staring resumed, as if the gathered men could make the answers spring forth from the zoogi fungus by making it nervous with awkward looks. Occasionally one of the men would glance quickly around the table and then instantly back towards the fungus, making sure that everyone else was not staring at them waiting for words. Clainin could sense his social event collapsing. “Would anyone care for something to eat? I could have the cooks bring a small snack.”

Adranath, Krett and Borvin quickly exchanged glances that clearly indicated the world would crumble into space before they could collectively reach a decision about the food.

“… if the rest of you are eating…”

“… I’m, ah… not starving but…”

“… I do occasionally enjoy human food…”

Clainin held up a hand as the men all spoke at once. “I think I’ll have the cooks bring something up. Maybe eating will motivate us to think. Any requests?”

“Do you have… pizza?” Adranath asked.

As if time had come to a crawl the three human’s heads turned slowly towards the ancient Meer.

“Have I said something wrong?” Adranath’s brow wrinkled.

“No, no, not at all!” Clainin said quickly.

“But, ah… you know, I mean, ah… you like pizza?” Krett asked.

Borvin leaned forward, looking concerned. “You did have ale with it, yes?”

“I… no, I only tasted the pizza.” Adranath looked confused. “Dasha and I saved a small band of travelers from monsters near the Meer Crypt recently and their cook was rather insistent that we stay for a meal so he could show his gratitude. He made for us a… I am saying it correctly? Pizza?” The others nodded. “Your culture’s food preparation is so varied and complex to that of the Meer. It is quite new to us. But I found the pizza to be quite enjoyable, very creative.”

Borvin sat back in his chair and grinned at Clainin. “I think a few pizzas are in order and a few ales.”

“I suppose the cooks can manage that.” Clainin said. “Please excuse me, gentlemen, while I request the food. In the meantime, by all means, don’t stop discussing the zoogi powder.” His eyes rolled slightly behind his glasses.

When he returned three minutes later, the staring contest with the zoogi fungus had resumed.

“So…” Clainin said loudly as he sat back down in his place at the table. “Who has a theory of how she turns the fungus into the powder? Anyone?” The frustration creeping into Clainin’s voice was becoming evident.

Adranath cleared his throat. “Ah, perhaps she has some magic powers derived from the decay in Yew? If these creatures are so new to the world I would expect that the decay would be what made them change.”

“I’ve examined it in every way I know how, mixed it with every potion I have… I wouldn’t be surprised if some sort of magic was involved. I don’t know how it could be done with any form of alchemy.” Borvin said.

“Ah, maybe… ah… perhaps it’s something the fungus would do naturally on it’s own and she just, ah… speeds it along somehow?” Krett absently played with one of the gears on the table in front of him as he spoke, rolling it back and forth. “Some sort of, ah… substance she produces in her body perhaps.”

Now we’re getting somewhere. Clainin thought.

“How long before the food arrives?” Borvin asked.


Hours later, as the empty plates and mugs were taken away by a castle servant, the discussion had made little progress.

“What I’m saying is that perhaps being a product of the decay, she herself could be unknowingly producing and using magic.” Clainin said adjusting his glasses. "Depending on how fast they grew and whether or not it happened over generations, or to one single generation, magic could sort of be a part of her anatomy, so to speak.”

“That was really your first ale?” Borvin said to Adranath.

“Can we please discuss the fungus and not ale, Borvin?” Clainin asked. “This little mushroom is a mystery and I’m surprised that you’re not fascinated by it. This is a huge discovery.”

“I, ah… wonder if these would be any good on a pizza.” Krett mumbled. The others nodded and mumbled in agreement. Clainin’s head fell into his hands.

“Clainin, I have your sack!”

A familiar voice bellowed from the hallway through the door. Shamino, the skilled and trusted ranger, walked into the laboratory with a sack in his hand, grinning. He nodded to the men sitting at the table and tossed the sack to Clainin, who caught it with a surprise and opened it to look inside.

“My goodness, this is a lot of powder, Shamino! How did you get this much?” Clainin looked up with a surprised smile.

“The Matriarch gave it to me.” The ranger sat down on top of a stool with his legs crossed.

“Ah, you met her? I’ve heard rumors that she existed.” Clainin closed the sack again. He walked over to a cabinet and put it away for the evening. “We were just… discussing how the queens make this powder out of the zoogi fungus.”

“If you like I could ask the Matriarch when I go back tomorrow.” Shamino offered.

“Go back? Why would you go back, Shamino? Wasn’t it dangerous enough going in there once?” Borvin asked.

“Certainly not, she made me a friend of the hive.” Shamino stood up and casually started to walk casually out of the room as he stretched and yawned. “Interesting creatures, when they aren’t trying to kill you. I actually got a worker to play catch with a small rock; he was fascinated.”

Adranath’s eyes widened. “They no longer attack you?”

“How… ah, how exactly did you manage that?” Krett asked.

Shamino turned and grinned again as he made the last few steps out of the room backwards. “You just have to know how to treat a lady.”

After Shamino left, the men stayed silent in the room for some time.

“Well, all this time and we could have just joined Shamino and stayed in the hive as long as we wanted.” Clainin sighed. “We could have probably figured out all this fungus business by now.”

“Nevertheless, Clainin, I did enjoy the discussion this evening.” Adranath said. “And the food was delightful.” Clainin did his best to not visibly wince.

Borvin smiled. “And you had your first ale!” Clainin winced.

“And it’s, ah… it’s not as if the evening was a waste. I think in general we accomplished somewhat of a, ah… scientific achievement here.” Krett said.

“And what is that?” Clainin asked looking up.

Krett held up the small tool handle to which he had attached the one of his fine-toothed gears. “I invented this pizza cutter.”




太陽が沈み、ブリタニア城の雑然とした研究室の床の上を、粘液が流れるように、音もなく夕闇が覆っていった。オレンジ色の夕日の中では、まだ未練がましく細かい塵が弱々しくきらめいている。魔道師クレイニン(Clainin)が部屋を一周しロウソクを灯してゆくと、大きな円卓を囲んで座わっている人々の顔が次第に浮かび上がってきた。

老練の科学者クレット(Krett)は、いろいろな機械工具をテーブルの上に広げて座っていた。目の前には、数秒おきにカチッと音を立てる風変わりな金属の装置が置かれている。会の開始を待つ間、クレットはその装置に部品を組み込んでいた。それぞれの部品は、組み込まれるごとにボヨンと奇妙な音を発した。その左側には、錬金術師ボルビン(Borvin)が座っていた。ボルビンは比較的大柄な男だが、悲しいかな、体全体で筋肉が占める割合が極端に少ない体質になっている。しかし、こと錬金術に関しては、高い能力と豊富な知識を誇っていた。クレイニンは、ボルビンの錬金術の知識を大いに頼りにしていた。ボルビンの左隣はクレイニンの席なので今は空いている。さらにその隣には、ミーア(Meer)の賢人長老アドラナス(Adranath)が指を組み、静かに座っていた。

『みなさん、お集まりいただき感謝します』クレイニンはやっと着席し、参加者の顔を見回した。クレットは顔を上げて微笑むと、彼の装置から大きなスプリングが天井に向けて飛び出した。クレットは慌てて手を伸ばし細動する金属部品をキャッチすると、静かに机に置き、恥ずかしそうな苦笑いを見せた。『こうしてまた討論の席を設けることができるようになって、嬉しく思います』そう挨拶しながら、クレイトンはローブの下から小さな袋を取り出した。

『最後の会では、本当に楽しませていただいたよ』ボルビンが低い声で笑いながら言った。『ありゃ誰だったかねぇ。いまや魔法審議会のメンバーにもなっているあの若造は。世界が宝石の中に閉じ込められているという説を、何度も何度も聞かされたっけなぁ』

クレイニンは気まずそうに咳払いをした。『ええ、はい。あのときは……楽しかったです』そしてすぐさま話題を変えた。『マスター・アドラナス、私どものために貴重なお時間をありがとうございます。その後、ミーアの皆様は、いかがお過ごしですか?』

『元気でやっていますよ、マスター・クレイニン。お気遣いありがとう。この席にお招きいただいたことを、光栄に存じます。こうして知識溢れる諸先生方と科学的な謎について討論ができるなど……、そう、じつに数百年ぶりのことですからな』アドラナスと席を同じくした3人の参加者は、数千歳先輩の大魔道師からの最大の世辞に、鼻高々の気分になった。

クレイニンは袋の口を開き、興奮気味に参加者の顔を見回した。『では、本題に入りましょう』彼は注意深く袋に手を入れると、大きな ズーギーファンガス(Zoogi fungus)の塊を取り出し、テーブルの中央に置いた。『みなさんご承知のとおり、ソーレン(Solen)の巣が発見されました。残念ながら、安全性が確保されないため、まだ科学的な調査を実施できずにおります。そこで今日のテーマですが、彼女はどうやってこれを……』そう言うとクレイニンは、再び袋に手を入れて、転送の粉末(Translocation powder)が入った小瓶を取り出し、ファンガスの隣に置いた。『これに変えたかです』

各人は催眠術をかけられたかのように、円卓の上の2つの物体をじっと見つめた。部屋は、ピンが落ちる音も聞こえそうなほど静まり返った。事実、そのとき図らずもクレットの手から4本のピンが滑り落ち、それが単なる誇張表現ではないことを証明して見せた。『ああ、どーも……、し、失礼。忘れてたもんで……、手に握っておりましたのを……。い、いますぐ片付けますので、はい。とんだ失礼を』彼は気まずそうに咳払いをした。

睨めっこはさらに続いた。みんなの視線を集中すれば、答えのほうが痺れを切らせてズーギーファンガスから飛び出してくるのではないかと、全員が信じているかのようにも見えた。ときどき、中の一人が顔をあげて他のメンバーの様子を伺ったが、言葉を発してはいけないような雰囲気を察して、すぐにまたファンガスに目を戻した。このままではせっかくの会が台無しになる。クレイニンはそう感じて口を開いた。『みなさん、お腹は大丈夫ですか。軽い食事でも用意させましょうか』

アドラナス、クレット、ボルビンは、互いの顔色を伺った。食事に関して彼らが合意に達することは、世界が崩壊して宇宙の塵になるより前にはあり得ない様子だった。

『みなさん、そうおっしゃるのなら……』

『空腹というほどではないですけど……』

『じつは私は人間の食べ物の愛好家でして……』

3人が同時に話を始めたので、クレイニンは片手をあげてそれを制した。『食べる物を用意するよう、料理人に言ってきましょう。何かお腹に入れれば、頭も活性化されるでしょう。特にご注文はありますか?』

『それなら……ピザなど』とアドラナスが言った。

3人の人間の頭の中の時間の流れが極端に低下し、彼らはゆっくりと偉大なるミーアの魔道師に頭を向けた。

『なにか、いけないことを言いましたかな』アドラナスは目をパチクリさせた。

『いえいえ、なにも!』クレイニンが慌てて答えた。

『だけどその……、つまりです、その……、ピザをお召し上がりに?』クレットが尋ねた。

ボルビンは身を乗り出してこう聞いた。『もちろん、エールは欠かせませんな』

『いや……、私は一度だけピザをいただいたことがあるというだけで』アドラナスは困惑の表情を浮かべた。『先日、ダーシャ(Dasha)と私とで、ミーアクリプト(Meer Crypt)の近くで怪物に襲われていた人間のご一向をお助けしたことがありまして。そのとき、礼をしたいからと、彼らの料理人が食事に誘ってくれたのです。そのとき彼が作ってくれたのですよ、ピザを……発音はこれで合ってますかな?』残りの全員がうなづいた。『あなた方の食文化は、我らミーアのものに比べて非常に豊かで複雑です。新鮮な驚きであります。しかし、ピザはとても美味でした。じつに創造的な食べ物です』

ボルビンは乗り出した体を椅子の背に戻すと、クレイニンに微笑みかけた。『ピザを何枚か頼むよ。それとエールもな』

『たぶん、ご用意できると思います』クレイニンは答えた。『では、ちょっと失礼して料理人に伝えてきます。その間、どうぞズーギーパウダーに関する論議を続けていてください』彼は眼鏡の置くの目玉をいたずらっぽく回して見せた。

3分後、彼が部屋に戻ってきたとき、ズーギーファンガスとの睨めっこはまだ続いていた。

『それで……』クレイニンは自分の席に腰を下ろしながら大きな声で言った。『彼女がどうやってファンガスを粉に変化させたか、仮説を提起してくださる方はいらっしゃいませんか?』クレイニンの声から、明らかにイライラした気分が伝わってきた。

アドラナスが咳払いをすると、言った。『その、おそらく、ユーの腐敗から彼女はある種の魔法の力を得たのではないかと。あの生物が、この世界に新しく出現した生物だとするなら、腐敗に何らかの関係があると思うのですが』

『私は、私が知る限りあらゆる方法でそれを調べた。私が持っているすべての薬と混ぜ合わせたりもしてみた。だから、何らかの魔法が関係しているとしても驚きはしないよ。錬金術的には、どう考えても不可解な現象だ』ボルビンが言った。

『あの、その、もしかして……、これはファンガスが自分で自然にですね、こうなると。彼女はただそれを……、何らかの方法で早めたというのでは?』クレットは、テーブルの上に置いた歯車を意識せずに手で前後に転がしながら言った。『何らかの、その……、物質が、彼女の体内で生成されているのかも』

だんだん核心に近づいてきた、とクレイトンは感じた。

『食事はあとどれくらいかかるのかね?』とボルビンは尋ねた。

  • * *

数時間後、空になった皿やジョッキを使用人が片付けるころになっても、討論に進展は見られなかった。

『つまり、こういうことです。おそらく腐敗の副産物として、彼女は自ら意識することなく魔法を生み出し、使っている』眼鏡の位置を直しながらクレイニンは言った。『どれくらいの速度で成長したのか、さらに、それは数世代をかけたのか、あるいは一世代で完了したのかによりますが、魔法は彼女の、いわゆる生体組織の一部になった可能性があります』

『エールを飲むのは初めてですか?』ボルビンはアドラナスに尋ねた。

『今はエールではなくファンガスの話をしましょう、ボルビンさん』クレイニンは言った。『この小さなキノコは謎の塊です。あなた方がこれに興味を示さないのが不思議でならない。これは大変な発見なんですよ』

『これって……もしかして、ピザに乗せたらどうかなと……』クレットがクレイニンの要求に答えて小声で言った。クレイニンは両手に顔を埋めた。

『クレイニン、お前にお土産だ!』

聞きなれた声がドアの向こうの廊下から響いてきた。経験豊富にして天才的レンジャーのシャミノ(Shamino)だ。彼は袋を手に持ち、ニコニコしながら研究室に入ってきた。円卓の学者たちに軽く会釈をすると、彼はクレイニンに袋を投げてよこした。クレイニンはびっくりながらそれを受け取り、中を覗いた。

『こいつは、すごい量のパウダーだ、シャミノ!どこでこんなに集めたんだ?』クレイニンは驚きながらも、嬉しそうにシャミノを見上げた。

『クイーンがくれたんだ』そう言うとシャミノはスツールに腰かけ、足を組んだ。

『え、彼女に会ったのか?生きているとは聞いてたけど』クレイニンは袋の口を閉じた。そして、それを戸棚のところまで持ってゆき、中にしまった。『今ボクたちは、クイーンがどうやってズーギーファンガスからパウダーを作るのかを、討論……していたたところなんだ』

『また明日、会いにいくから、直接聞いてきてやろうか?』シャミノはそう進言した。

『また会いに行くって?何を考えているんだ。そんな危険なところは、一度行けば十分じゃないか』ボルビンが口を出した。

『そうでもないさ。ボクはもう、あそこの顔だからね』シャミノは立ち上がり、気取らない仕草で伸びをしながらドアに向かいつつ言った。『怒ってないときは、面白い連中だよ。働きアリと小石でキャッチボールをしたぐらいさ。ヤツは楽しそうにしてたよ』

アドラナスは目を見開いた。『あなたには襲いかからないと?』

『でも……、あの、いったいどうやってお友達になれたのです?』とクレットが尋ねた。

シャミノは学者たちを振り返り、後ろ向きに部屋を出ながらニコリと笑って答えた。 『ボクはレディーの扱いには慣れてるからね』

シャミノが去ると、男たちはしばらく部屋の中で押し黙ってしまった。

『つまり、シャミノについて行けば、好きなだけ彼らの巣の中にいられたってことか』クレイニンはため息交じりに言った。『そうすれば、今ごろはファンガスの謎もとっくに解けていたはず』

『いずれにせよ、クレイニン君、私は楽しかったよ』とアドラナスが言った。『食事もすばらしかったしね』クレイニンは、ふて腐れた顔を見せたいところを、必死に堪えた。

ボルビンが笑いながら言った。『それに、あなたは初めてのエールを体験できた!』これにはクレイニンも顔をしかめた。

『そうそう、こ、今夜の集まりがまったく無駄だったとは言えませんよ。それぞれ、何らかの、そのつまり、科学的な成果を得られたと思うんですけど』とクレット。

『それは何です?』クレイニンはクレットを見上げて言った。

クレットは、取っ手の先に鋭く細かい歯が並んだ歯車を取り付けた道具を手にしていた。『私は、これを発明できました。ピザカッターです』