Difference between revisions of "UO:2007-08-03: Intervention"
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+ | それは随分とおかしな質問だった。だが、クロノスは行儀良く肯定の微笑みを返した。するとフランセスコは続けた。 | ||
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+ | 声はさらに真剣さを帯びていた。 | ||
+ | 「本当に見つけ出せるのであるな?」 | ||
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+ | メリッサは無意識にクロノスを見つめた。フランセスコはその様子を見て身を乗り出し、クロノスの不安げな目を正面から覗き込んだ。 | ||
+ | 「その、閣下、それは……」 | ||
+ | 「これは失礼」 | ||
+ | フランセスコが遮った。 | ||
+ | 「私はそなたとそなたの属しているギルドとの事情は知っておる。その上でもう一度聞く。その装置はブラックロックを見つけ出せるのだな?」 | ||
+ | 「そう思います、閣下。」 | ||
+ | 何度も言ってきた。ギルドにも同じことを言い、そしてまた言った。あの装置は間違いない。間違いないのだ。 | ||
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+ | フランセスコはふむ、と椅子の背もたれに身を預けた。 | ||
+ | メリッサは目に見えるほどに息を吐いた-椅子は小さく、財務官は小さくはなかったのだ。 | ||
+ | クロノスは何か、なんでもいいから続けて言おうとしたが、目の前の男は考えをめぐらせているようであり、クロノスが何を言おうとも気にはかけないように見えた。 | ||
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+ | 「それならば、仕上げるのには何が必要なのかね?」 | ||
+ | と、フランセスコは質問した。 | ||
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Latest revision as of 18:13, 31 May 2017
Kronos nearly swallowed his fork.
The front door shook with a quick succession of poundings, iron on oak, he realized, right as they had begun eating. Melissa got up quickly, and he followed. They were almost to the foyer before a voice called out: “Hullo the house!” and the door swung open wide, spilling moonlight across the floor.
The first thing Kronos noticed was the knight, he must’ve been a knight, he assumed, given the full plate armor and regalia. The second thing was the stout, smartly dressed man standing slightly behind him and to his right. He was already talking even as the door swung back a bit.
“Avery, if you could wait for me here?” The man in the armor eyed both of the mages, then turned to face the road while his companion pulled the door closed after him, walking inside.
Melissa blinked; Kronos saw an odd look cross over her face before he realized he’d automatically begun greeting his newfound guest. He quickly devoted his entire attention to completing his greeting/question: “who are you, exactly sir?” and hoped he’d started out with “Excuse me,” at least.
“Ah, yes, you wouldn’t know me. My name is Francesco; I’m the Royal Treasurer.”
Kronos and Melissa both bowed: “M’lord! You honor us with your presence!” she said quickly.
“Yes, yes, please, what can we do for you?” Kronos was as shocked as she – when was the last time anyone from the Royal Council had visited the townships?
Francesco bowed forward a little, “Perhaps we could talk further inside? I prefer sitting when talking, you must understand…”
“Of course!” replied Kronos, waving them both back towards the dining room. His mind was reeling, and they quickly made themselves comfortable at the table.
“Now, my understanding, friend mage, is that you’ve built some sort of machine?” Kronos’s eyes widened and Melissa’s hands tensed on top of the table.
“Yes, yes I have m’lord.”
“And it can find blackrock?”
Kronos gulped. “Indeed, I believe it can find blackrock anywhere in the known world.”
Francesco took that in for a moment. “And the unknown?”
Kronos laughed politely, it was an odd question. Francesco continued on, more serious than they’d supposed. “And it works?”
Melissa unconsciously eyed Kronos and Francesco picked up on it immediately; he shifted forward a bit, looking directly into Kronos’s nervous eyes.
“Well, you see m’lord, that’s the…”
“Forgive me,” he interrupted. “I’m familiar with the situation with your guild. Let me rephrase: Will it work?”
Kronos was amazed by the abruptness, the suddenness of it all. Why was this man here at this late an hour to ask him about these things?
“I believe so, sir.” There, he’d said it. He’d said it to the Guild, he’d say it again. It would work. He knew it would.
Francesco leaned back in the chair. Melissa breathed in visibly – it was a rather small chair and the Treasurer wasn’t a small man.
Kronos wanted to follow up with something, anything, but the man looked like he wouldn’t really care what he said. He was mulling something over.
“Well then. What do you need to finish?” Francesco asked.
クロノス(Kronos the Mage)は驚きのあまりフォークを飲み込んでしまいそうになるほどだった。
クロノスとメリッサ(Melissa)が食べ始めようとした矢先、玄関の扉が樫の木に鉄でも打ちつけられるようなものすごい音を立ててノックされたのだ。 メリッサがすばやく立ち上がり、クロノスはそのあとに続いた。玄関口にさしかかろうかというときに大きな声が響き渡った。 「御免!」 そしてドアが勢いよく開き、玄関が月明かりで満たされた。
騎士か?王室の紋章のついたフルプレートに身をつつんでいるし、騎士に違いない、とクロノスは思った。 そのあとに続いて、恰幅がよく品のいいしゃれた服を着た男が姿を覗かせた。 その男はドアが開いた勢いで戻りかける頃にはすでに話し始めていた。
「アベリー(Avery)、ここで待っているように」 鎧を着た男はドアの内側に居る2人の魔法使いに目をやった後、声をかけた男がドアを閉め中に入ってくる間にくるりと背を向け、来た道を見張った。
メリッサは目をしばたたかせていた。クロノスはこの客人に挨拶をする前にメリッサの奇妙な様子からどうやらこの人物に驚いているようだという事に気がついた。 クロノスはとっさではあったものの、なんとか自分のしたい質問をすることができた。 「どちら様でしょうか?」 聞いてから「失礼ですが」を付け加えるべきだったと気付いたが。
「ああ、君は私のことを知らないだろう。私は王室財務官のフランセスコ(Lord Francesco)だ」 クロノスとメリッサは頭を下げた。 「閣下!お越しくださいまして光栄でございます!」 メリッサはとっさに答えた。 「こ、これは、これは!私共に何をお望みでございますか?」 クロノスはメリッサと同じように驚きを隠せないでいた-この街に統治評議員がきたのはいつの事だっただろうか? フランセスコは軽く会釈を返すと続けた。 「中で話をしてもかまわないだろうね?多分わかっているとは思うが、私は座って話す方が……」 「もちろんでございます!」 クロノスは言い、食堂へと案内をした。動揺してはいたものの、テーブルについてから程なく落ち着きを取り戻した。
「さて。私の理解するところによれば、友である魔法使いよ、そなたが装置か何かを作った者に間違いあるまいな?」 クロノスは驚きのあまり目を見開き、メリッサの手は緊張のあまりテーブルの上で震えていた。 「ええ、はい、私でございます、閣下」 「して、その装置とやらはブラックロックを見つけ出せるとか?」 クロノスは息を飲んだ。 「そ、その通りで。私どもが知る限りの世界のどこにあるブラックロックでも見つけ出すことが出来ると思っております」 フランセスコは一瞬置いて言った。 「知られていない世界のでもか?」 それは随分とおかしな質問だった。だが、クロノスは行儀良く肯定の微笑みを返した。するとフランセスコは続けた。
声はさらに真剣さを帯びていた。 「本当に見つけ出せるのであるな?」
メリッサは無意識にクロノスを見つめた。フランセスコはその様子を見て身を乗り出し、クロノスの不安げな目を正面から覗き込んだ。 「その、閣下、それは……」 「これは失礼」 フランセスコが遮った。 「私はそなたとそなたの属しているギルドとの事情は知っておる。その上でもう一度聞く。その装置はブラックロックを見つけ出せるのだな?」 「そう思います、閣下。」 何度も言ってきた。ギルドにも同じことを言い、そしてまた言った。あの装置は間違いない。間違いないのだ。
フランセスコはふむ、と椅子の背もたれに身を預けた。 メリッサは目に見えるほどに息を吐いた-椅子は小さく、財務官は小さくはなかったのだ。 クロノスは何か、なんでもいいから続けて言おうとしたが、目の前の男は考えをめぐらせているようであり、クロノスが何を言おうとも気にはかけないように見えた。
「それならば、仕上げるのには何が必要なのかね?」
と、フランセスコは質問した。